お知らせ

2018.05.06
医療法人の登記
みなさんこんにちは。
本日は、医療法人の登記についてお話して参ります。

医療法人とは、「病院」、「医師もしくは歯科医師が常時勤務する診療所または介護老人保健施設を開設しようとする社団又は財団」であって(医療法第39条)、都道府県知事の認可を受けて設立された法人のことをいいます。
株式会社等と異なり、医療法人は、設立する場合に都道府県知事の認可を必要としたり、毎年資産の総額の変更登記を要したりします。

今回は、医療法人の登記事項中、「代表権を有する者の氏名、住所及び資格」と「資産の総額」について説明致します。

≪医療法人の登記事項≫
1.目的及び業務
2.名称
3.事務所の所在場所
4.代表権を有する者の氏名、住所及び資格
5.存続期間又は解散の事由を定めた時は、その期間又は事由
6.資産の総額

≪医療法人の役員変更登記(社団型医療法人の場合)≫
医療法人には、機関として「理事」「理事会」「監事」「社員総会」を置かなければなりません。
また、役員として、原則として理事3名以上及び監事1名以上を置かなければならず、例外として、3名未満の理事しか置かない場合、都道府県知事の認可が必要とされています。

(理事及び監事の選任機関)
医療法人の理事及び監事の選任機関は社員総会です。

(理事及び監事の任期)
医療法人の理事及び監事の任期は、2年を超えることができません。
そのため、2年に一度は改選を行わなければならず、たとえ同一の者が役員となったとしても再選決議を行わなければなりません。また、任期を伸長することもできません。

(理事長の選任)
医療法人の理事のうち1人は、理事長とし、医師又は歯科医師である理事のうちから選出するのが原則です。
例外として、都道府県知事の認可を受けた場合は、医師又は歯科医師でない理事のうちから選出することができます。選出決議機関は原則理事会とされています。

(登記を要する役員)
理事長のみ登記を要し、理事及び監事は登記事項ではありません。

≪資産の総額の登記≫
医療法人の会計年度は、原則4月1日から3月31日までとされています。(但し、定款にて別段の定め可)
決算が確定すると、医療法人の資産の総額が確定し、その変更登記を行わなければなりません。
この変更登記は、毎事業年度の末日から3か月以内に行わなければなりません。
資産の総額は、積極財産から消極財産を控除した純財産額であり、この数字が前年の数字と全く同一であれば変更登記は不要ですが、そのようなケースは考えにくいため、一般的には毎年変更登記を行うこととなります。

医療法人の登記について、変更登記等を怠った場合には、一定の場合を除き、20万円以下の過料に処せられます。(医療法93条1号)
変更事項等が生じた場合には、速やかに手続きを進めることが必要です。
2018.04.23
住宅用家屋証明について
個人が一定の要件を満たした新築又は家屋を取得した場合において、住宅用家屋証明書を取得することにより、不動産の登記において登録免許税等の減税措置を受けることができます。

<交付要件>
(1) 個人が新築又は取得(売買又は競売に限る)した家屋であること。
(2) 個人が居住の用に供する家屋であること。
(3) 当該家屋の床面積が50平方メートル以上であること。
(4) 区分建物については、耐火建築物、準耐火建築物又は国土交通大臣の定める基準に適合するものであること。
(5) 当該住宅用家屋の新築又は取得後、1年以内に登記をすること。
(6) 中古住宅(建築後使用されたことのある住宅用家屋)の場合、取得の日以前20年以内に建築された家屋であること。
  ※耐火構造(石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造)である場合は、25年以内。

☆住宅用家屋証明により減税措置が受けられるかの要件について
・「個人の住宅の用に供する家屋」とは
→その家屋を新築又は取得した個人が居住の用に供する専用住宅家屋をいい、店舗併用住宅、事務所併用住宅のような家屋はこれに該当しません。ただし、その家屋の床面積の90%を超える部分が住宅である場合には、専用住宅家屋に該当するものとして取り扱って差し支えないこととされています。

・「自己の居住の用に供すること」の確認方法は
→申請者が当該家屋の所在地へ住民票の転入手続を済ませている場合は住民票の写し等により、まだ住民票の転入手続を済ませていない場合にあっては入居(予定)年月日等を記載した当該個人の申立書等により確認を行います。

・共同住宅の取得に際して適用はあるか
→共同住宅は、区分建物と異なり、各戸ごとに登記することができず、所有者以外の者が居住していないことが登記事項証明書上明らかでないため、特例の適用はありません。

・共有者の一人のみ(共有者甲乙のうち甲のみ)が住宅の用に供する場合
→当該家屋を居住の用に供する甲の共有持分に係る部分の登録免許税についてのみ特例が受けられます。

・共有者全員(共有者甲乙、持分各々50%)が総床面積90㎡を居住の用に供する場合
→その家屋の床面積が50㎡以上であるかどうかは1棟の家屋ごとに判定するので、本問の場合はその床面積が50㎡以上である為、特例の対象となる家屋に該当します。
2018.03.30
有限会社から株式会社への商号変更について
みなさん、こんにちは。

お客様から「有限会社から株式会社へ変更したいのですが・・・」というご依頼を受けることがあります。

当事務所では、登記のご依頼をいただくときは、その理由をうかがう様にしています。
何故かというと、目的によっては、その登記だけを行っても目的を達成しないことがありますし、逆に登記をしなくても、別の解決方法があったりすることもあるからです。

登記を行うことは、お客様のご希望をかなえるための一つの手段に過ぎないので、目的をうかがって最善の策をとる、それが一番大切だと考えています。

それで、話を戻すと、「有限会社を株式会社に変更したい」と仰られるお客様にその理由をお尋ねすると、大抵、明確な理由がありません。
ただ、単純に有限会社は小さな会社のイメージで、株式会社は大きな会社のイメージだから、変更したいなと漠然と考えているのかなと思います。

実をいうと、平成18年に会社法が施行されてから、新たに有限会社を設立することはできなくなりました。

それ以前は、確かに最低資本金制度があり、有限会社は300万円、株式会社は1000万円以上の資本金がなければ設立することができませんでした。
有限会社を設立されている会社さまは、この時のイメージで株式会社は大きな会社というイメージを持たれているのだろうと思います。

ただ、平成18年に施行された会社法では、最低資本金制度が廃止され、資本金が1円でも会社を設立することができるようになりました。
実際には株式会社を設立するためには最低20万円強の実費が必要なので、1円で設立する会社はありませんが、新規で設立する会社で300万円も資本金を入れている会社はどちらかといえば少数派だと思います(データで確認はしていませんが・・)。

ですから、今の時代に株式会社だから大きくて、有限会社だから小さいというイメージは成り立ちません。

逆に有限会社と聞けば、設立から10年以上経っている会社なのだと知ることができ、会社の謄本をみなくても、信頼度が増すのではないかと思います。

中小企業の社長様は、10年間ものあいだ会社を継続することがいかに大変であるのか、身をもって知っているはずなので、有限会社ときけば、「へぇ~。すごいですね・・」と言われるような時代がくるのではないかと個人的には思っています。

実際に、私は有限会社と聞けば、「10年以上も会社を継続しているのか・・。すごい人だな」と思ってます。

そういうわけで、有限会社から株式会社への商号変更についてご依頼をいただいたときは、そのようにお話をして、それでも希望される方の登記をお受けするようにしています。

会社法施行後は、有限会社は株式会社とみなされており、株式会社の条文がそのまま利用されています。

ただ、任期に期限がない点はそのまま有限会社に残っていますので、株式会社と異なり、役員変更登記を定期的におこなう必要は原則としてありません。

ただ、有限会社は制度上、株式公開をすることができませんので、有限会社のままでは、株式上場をして、外部から資金を調達することができません。
ですから、このような場合には、株式会社への変更について、明確な理由があることになります。

単純に依頼をされた登記をするのみであれば、専門家に頼む必要はなく、また、誰に頼んでも同じです。
登記を行うにしても、その登記がなぜ必要なのか、どのような登記をおこなえば、お客様に満足していただけるのか、お客様と十分に話し合い、ご希望に沿った登記を行う、そんな司法書士でありたいなと思ってます。

ただ、有限会社の定款は株式会社と全く異なっており、現状にマッチしていないので、定款の変更だけはお勧めしており、定款の変更のみのご依頼もお受けしております。

会社に関するお悩みは、ぜひ、ひらた司法書士事務所へご相談ください。
2018.03.02
NPO法改正に伴う定款の変更について
皆さん、こんにちは。

本日はNPO法人についてのお話です。

NPO法人は1年に一度、資産の総額の変更登記を行う必要があります。
しかし、毎年、資産の総額の変更登記を行うのは煩雑ですし、司法書士に依頼をすれば、費用が発生します。
このようなことから、資産の総額の登記に代えて、平成30年10月1日から、貸借対照表の公告を義務づける法律が施行されます(特定非営利活動促進法第28条の2第1項の予定)。
これにより資産の総額の変更登記は不要となりますが、公告をしなければなりません。

公告の方法は、各NPO法人の定款に記載がありますが、一般的には「この法人の公告は、この法人の掲示場に掲示するとともに、官報に掲載して行う」と記載されています。これをそのまま放置しておくと、貸借対照表を官報公告しなければならず、毎年、多額の費用が発生してしまいます。

これを避けるためには、定款の公告の方法を「この法人は~官報に掲載して行う。ただし、法第28条の2第1項に規定する貸借対照表の公告については、この法人の主たる事務所の掲示場に掲示して行う」などの定款変更を行い、貸借対照表の公告方法を官報以外に定める必要があります。

また、直近の貸借対照表については、公告+登記が義務付けられているため、公告方法が官報となっている場合には、10月1日以前に定款変更を行って、公告方法を変更しておく必要があります。

3月末決算であれば、通常総会の際に併せて定款の変更を行い、行政への届出を行うようにしてください。

公告方法は各法人ごとの事情に応じて、選択をするようにしましょう。

当事務所ではこのような変更手続きも行っております。
お気軽にご相談ください。

参考サイト
https://www.npo-homepage.go.jp/kaisei
2018.02.24
契約書の必要性
みなさん、こんにちは。

本日は契約の必要性についてお伝えをしたいと思います。

普段、皆さんが生活しているなかで、様々な契約が成立しています。
契約なんて交わしてないよと思われる方もいるかもしれませんが、スーパーでの買い物は売買契約ですし、クリーニングに出す行為は寄託契約と請負契約の混合契約です。しかし、このような日常生活では、契約書を交わすことはまずありません。

つまり、契約が有効に成立するために、契約書は必要ありません。もちろん、人にお金を貸す行為、これは法律上は金銭消費貸借契約となりますが、契約書がなくても有効です。
よく「借用証がなければ、返済請求することができないの」と質問されることがありますが、貸したことが事実であれば、もちろん返還請求は可能です。

では、なぜ、契約書は必要なのでしょうか。

契約書がない場合、契約の内容を証明することができません。争いが生じた場合、契約書がなければ民法の規定により解決を図ることとなりますが、民法の規定にない部分は主張する側が証明をしなければなりません。

さきほど、借用証がなくても、金銭消費貸借契約は有効であると述べましたが、請求された側が「私は借りてない」と主張をした場合、請求する側が貸した事実を請求しなければ、裁判では負けてしまいます。
確かに借りたのに「借りてない」と主張する人がいるのだろうかと疑問に思われるかもしれませんが、実際にはよくあることです。

また、建設業などの請負契約でよくあるのが、請負価格の争いです。契約書があれば明記されているので、争いの対象になりえませんが、なければ、請求する側が証明をしなければなりません。

また、請負契約の内容についても争いが生じることがありますが、これも契約書に明記していれば、明らかなため、争いの対象になることはありません。

争いが生じると高額な裁判費用が生じるうえ、時間も割かなければならず、仕事に支障をきたします。また、精神的なダメージははかりしれず、単にお金の問題だけではすますことができない状態に陥ります。

だからこそ、契約書を交わして契約の内容を明確にし、事後の争いを防ぐこと~予防法務~がとても重要となります。

契約書を作成する場合には、①違法でないこと、②内容が明確であること、③事後の争いを防ぐ条項が網羅されていることが必要最低限必要ですが、さらに④自己にとって有利な内容であることが必要です。


しかし、市販の契約書は場合によっては一方当事者に不利益な場合があり、せっかく契約書を作成しても、自分にとって不利益な契約書と気づかずに契約してしまうというケースもあります。

だからこそ、契約書の作成は専門家に依頼することをお勧めします。

当事務所では、下記のような手順で契約書作成をおこなっています。

①お客様からのヒアリング
②契約書案作成
③お客様からのヒアリング
④契約書確定
⑤契約書データお渡し
※ヒアリングと契約書案の作成は依頼者の方が納得されるまで繰り返します。

また、実際に利用して、状況が変わることもあるため、6か月間のアフターサービス期間は修正対応をさせていただきます。

契約書作成をご検討の方は「ひらた司法書士事務所・大城行政書士事務所」へ是非ご相談ください。