お知らせ

2018.06.11
休眠担保権の抹消~古い担保権が残っていたら~
本日は古い担保権が残っていた場合の対応方法についてお話してまいります。

古い担保権、いわゆる「休眠担保権」とは、担保権の被担保債権の弁済期から長期間経過しているにもかかわらず、担保権が実行されずに存続している担保権のことをいいます。

このような休眠担保権を放置していても、担保権の登記は消えません。また、そのままにしておくと、その担保権が設定されている不動産を売却若しくは新たに融資を受けて担保権を設定することが困難となります。
その為、登記記録から消す場合には、担保権抹消登記手続きを行う必要があります。
もっとも、通常の手続きで抹消することは難しく、ある一定の手続きを経なければなりません。

<休眠担保権抹消の手続き>
1.債権額の金額を供託する方法
2.除権決定を得る方法
3.裁判手続き
4.完済資料・証拠を提出する方法

今回は1.債権額の金額を供託する方法について触れてゆきたいと思います。

休眠担保権を抹消する方法として、「被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害額全額に相当する金銭を供託」して、登記所へ申請する方法があります。
以下3点の要件を満たす必要があります。

①担保権者が行方不明であること
②被担保債権が弁済期から20年が経過していること
③被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭を供託すること


①について
個人の場合は、配達証明付郵便を送付して「不到達」であることが「行方不明」に当たります。
その為、登記簿上の住所から戸籍謄本、住民票を調査し、そこから判明する住所地には、郵便を送付することとなります。
法人の場合は、登記所にて法人の登記事項証明書がないか調査を行います。この段階で登記事項証明書や閉鎖登記事項証明書が取得できると、「行方不明」には該当しません。そのような登記記録がない場合に初めて「行方不明」であるとされます。但し、そのような状況は稀である為、法人についてこの手続きをとることは困難と考えられております。


②について
<登記簿に弁済期が記載されている場合>
昭和39年改正以前の担保権の登記は「弁済期」が登記事項でした。
その為、登記簿に記載されている弁済期から20年が経過している必要があります。

<登記簿に弁済期が記載されていない場合>
債権の成立日が弁済期となります。また、債権の成立日が不明の場合には、担保権を設定した日が被担保債権の弁済期となります。

<根抵当権の場合>
元本確定日を被担保債権の弁済期とみなします。元本確定日は、元本の確定の登記があるとき、又は、登記記録上元本が確定したことが明らかであるときはその記録により、それ以外の場合には、当該担保権設定の日から3年を経過した日が元本確定日とみなされます。


③について
供託時において現実に残存する債権等ではなく、登記記録に記録された債権額等から推察されるそれらの最高額をいいます。この供託金の計算は大変複雑のため、管轄法務局への問い合わせ等が必要となります。

休眠担保権について疑問な点等ございましたらひらた司法書士事務所へお尋ねください。
2018.05.25
遺言書を発見したら~遺言書の検認~
みなさんこんにちは。
本日は遺言書の‘検認’についてお話してまいります。

遺言書には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、そのうち公正証書遺言以外は≪家庭裁判所による検認手続き≫を行わなければなりません。

検認とは,相続人に遺言の存在・内容を知らせ、遺言書の形状・日付・内容を検証して、“証拠として保全”する手続きです。その為、検認によって遺言書が法律的に有効となるわけではありません。

検認手続きを経ないと、その後の手続き(相続登記や預貯金口座解約など)において、遺言書を使用することができません。

遺言書の保管者又は発見者は、遺言者の死亡を知ったのち又は遺言書を発見したのち、遅滞なく家庭裁判所に検認の申し立てを行わなければなりません。

また、封印のある遺言書については、家庭裁判所において相続人等の立会いの下で開封しなければならないとされています。
(※検認前に開封してしまった場合、その遺言書が無効となるわけではないのですが、行政罰に課される可能性があります)

家庭裁判所へ検認の申し立てを行う場合、以下の書類を提出することになります。
(1) 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
(2) 法定相続人全員の戸籍謄本
(3) 申立書

遺言書の検認など遺言書に関してご相談がございましたら、ひらた司法書士事務所へおたずねください。
2018.05.13
不在籍・不在住証明書について~名義人の住所を変更するにあたって~
みなさんこんにちは。
本日は、不在籍証明書・不在住証明書についてお話いたします。

所有権を移転する際や担保権設定を行う際に、登記名義人の登記簿上の住所と現在の住所とが異なっている場合には、登記名義人表示変更登記を行わなければなりません。
この変更登記を行うには、変更を称する書面を添付することになっており、通常は住民票等で証明します。
なお、複数回住所を移転していた場合には、戸籍の除附票を添付することによって、住所の連続性を証明することとなります。
しかし、戸籍の除附票や住民票の除票は、保存期間が5年間と定められており、保存期間経過後は廃棄されてしまうため、登記簿上の住所と現在の住所の連続性を証明することが困難なケースが出てきます。

そのような場面で利用されるのが「不在籍証明書・不在住証明書」です。

不在籍証明書とは、「本籍の表示として申請書に記載されたところに、証明対象者の戸籍が存在しないことを証明するもの」です。
不在住証明書とは、「申請日現在に住所の表示として申請書に記載されたところに、証明対象者の住民票が存在しないことを証明するもの」です。

登記簿上の住所と現在の住所との連続性を戸籍の除附票等で証明できない場合に「不在籍証明書・不在住証明書」を添付する趣旨は、
「登記簿に記載されている住所には、現在その人は住所も戸籍も存在しませんが、登記を受けた当時(登記名義人となった当時)には、確かにそこにいました。その人が登記簿上の人物と同一であることは間違いありません」
と誓約することで、登記の真実性の担保を図る点にあります。

登記を申請する際には、「不在籍証明書・不在住証明書」とともに、対象不動産の登記済証や課税通知書等を添付します。
(法務局によって取扱いが異なりますので、事前の管轄法務局への確認が必要です。)

ご不明な点等ございましたら、是非ひらた司法書士事務所へお尋ねください。
2018.05.06
医療法人の登記
みなさんこんにちは。
本日は、医療法人の登記についてお話して参ります。

医療法人とは、「病院」、「医師もしくは歯科医師が常時勤務する診療所または介護老人保健施設を開設しようとする社団又は財団」であって(医療法第39条)、都道府県知事の認可を受けて設立された法人のことをいいます。
株式会社等と異なり、医療法人は、設立する場合に都道府県知事の認可を必要としたり、毎年資産の総額の変更登記を要したりします。

今回は、医療法人の登記事項中、「代表権を有する者の氏名、住所及び資格」と「資産の総額」について説明致します。

≪医療法人の登記事項≫
1.目的及び業務
2.名称
3.事務所の所在場所
4.代表権を有する者の氏名、住所及び資格
5.存続期間又は解散の事由を定めた時は、その期間又は事由
6.資産の総額

≪医療法人の役員変更登記(社団型医療法人の場合)≫
医療法人には、機関として「理事」「理事会」「監事」「社員総会」を置かなければなりません。
また、役員として、原則として理事3名以上及び監事1名以上を置かなければならず、例外として、3名未満の理事しか置かない場合、都道府県知事の認可が必要とされています。

(理事及び監事の選任機関)
医療法人の理事及び監事の選任機関は社員総会です。

(理事及び監事の任期)
医療法人の理事及び監事の任期は、2年を超えることができません。
そのため、2年に一度は改選を行わなければならず、たとえ同一の者が役員となったとしても再選決議を行わなければなりません。また、任期を伸長することもできません。

(理事長の選任)
医療法人の理事のうち1人は、理事長とし、医師又は歯科医師である理事のうちから選出するのが原則です。
例外として、都道府県知事の認可を受けた場合は、医師又は歯科医師でない理事のうちから選出することができます。選出決議機関は原則理事会とされています。

(登記を要する役員)
理事長のみ登記を要し、理事及び監事は登記事項ではありません。

≪資産の総額の登記≫
医療法人の会計年度は、原則4月1日から3月31日までとされています。(但し、定款にて別段の定め可)
決算が確定すると、医療法人の資産の総額が確定し、その変更登記を行わなければなりません。
この変更登記は、毎事業年度の末日から3か月以内に行わなければなりません。
資産の総額は、積極財産から消極財産を控除した純財産額であり、この数字が前年の数字と全く同一であれば変更登記は不要ですが、そのようなケースは考えにくいため、一般的には毎年変更登記を行うこととなります。

医療法人の登記について、変更登記等を怠った場合には、一定の場合を除き、20万円以下の過料に処せられます。(医療法93条1号)
変更事項等が生じた場合には、速やかに手続きを進めることが必要です。
2018.04.23
住宅用家屋証明について
個人が一定の要件を満たした新築又は家屋を取得した場合において、住宅用家屋証明書を取得することにより、不動産の登記において登録免許税等の減税措置を受けることができます。

<交付要件>
(1) 個人が新築又は取得(売買又は競売に限る)した家屋であること。
(2) 個人が居住の用に供する家屋であること。
(3) 当該家屋の床面積が50平方メートル以上であること。
(4) 区分建物については、耐火建築物、準耐火建築物又は国土交通大臣の定める基準に適合するものであること。
(5) 当該住宅用家屋の新築又は取得後、1年以内に登記をすること。
(6) 中古住宅(建築後使用されたことのある住宅用家屋)の場合、取得の日以前20年以内に建築された家屋であること。
  ※耐火構造(石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造)である場合は、25年以内。

☆住宅用家屋証明により減税措置が受けられるかの要件について
・「個人の住宅の用に供する家屋」とは
→その家屋を新築又は取得した個人が居住の用に供する専用住宅家屋をいい、店舗併用住宅、事務所併用住宅のような家屋はこれに該当しません。ただし、その家屋の床面積の90%を超える部分が住宅である場合には、専用住宅家屋に該当するものとして取り扱って差し支えないこととされています。

・「自己の居住の用に供すること」の確認方法は
→申請者が当該家屋の所在地へ住民票の転入手続を済ませている場合は住民票の写し等により、まだ住民票の転入手続を済ませていない場合にあっては入居(予定)年月日等を記載した当該個人の申立書等により確認を行います。

・共同住宅の取得に際して適用はあるか
→共同住宅は、区分建物と異なり、各戸ごとに登記することができず、所有者以外の者が居住していないことが登記事項証明書上明らかでないため、特例の適用はありません。

・共有者の一人のみ(共有者甲乙のうち甲のみ)が住宅の用に供する場合
→当該家屋を居住の用に供する甲の共有持分に係る部分の登録免許税についてのみ特例が受けられます。

・共有者全員(共有者甲乙、持分各々50%)が総床面積90㎡を居住の用に供する場合
→その家屋の床面積が50㎡以上であるかどうかは1棟の家屋ごとに判定するので、本問の場合はその床面積が50㎡以上である為、特例の対象となる家屋に該当します。