お知らせ

2018.07.12
合同会社の設立
合同会社は、平成18年5月に施行された会社法により誕生した、新しい種類の会社形態です。
株式会社設立に比べ、設立費用が大幅に安く抑えることができるのが大きな特徴で、近年は新たに設立される合同会社の数が増大傾向にあります。

今回は合同会社の特徴と設立手続きの流れについてお話してまいります。

<合同会社の特徴>
◎設立費用が大幅に安い
 →株式会社を設立するには、実費として登録免許税が15万円、定款認証費用が約5万円(電子認証による場合)の計約20万円がかかり、専門家に依頼した場合プラス報酬額が加算されます。
  これに対して、合同会社を設立する場合には、実費として登録免許税が最低6万円(資本金の額により変わります)であり、定款認証費用は不要である為、株式会社と比べて大幅に安く設立することができます。
  合同会社から株式会社へ組織変更することも可能となっているため、当初は合同会社を設立し、事業が軌道に乗ってきたら株式会社へ組織変更する、という選択肢も可能です。

◎出資者が有限責任
 →出資者は、出資した額の限度でのみ会社債務の責任を負います。すなわち、300万円を出資したのであれば、300万円の債務しか責任を負いません。
  株式会社の株主も有限責任である為、その点は合同会社と同様ですが、株式会社よりも合同会社の方が運営における自由度が高いため、出資者が有限責任であることは合同会社の大きな特徴といえます。

◎経営の自由度が高い
 →株式会社では議決権、利益の配分等については株主の株式割合に従って定められることになります。
  これに対して、合同会社では会社内部の規律が会社法によって定められているのではなく、その会社の実情に合わせて決定することができます。経営に関する意思決定方法等を自由に定めることができるのです。

<合同会社の設立手続きの流れ>
①会社の重要事項の決定
→商号、会社の事業目的、社員、資本金の額、決算期等、合同会社設立に必要な事項を決定します。
②商号の調査
→現在は、類似商号の規制が緩和されたため、同一商号で同一所在場所でない限り、会社の商号は自由に決定することができます。但し、他の会社と誤認される恐れのある商号を選択すると、設立後、商号使用差止め請求や損害賠償請求をされる可能性がある為、ご希望の商号と類似するものが既に登記されていないかどうか等を調査する必要があります。
※合同会社の会社実印は、この商号調査を終えてから作成されてください。
③金融機関での出資金の払込
→代表者の個人名義の通帳に出資金の払込を行います。
 合同会社の設立登記申請の際には、払込があったことを証する書面として通帳の写しを提出します。
④設立登記申請書類への押印
⑤登記申請

合同会社設立に関するご相談は、ひらた司法書士事務所へお訪ねください。
2018.07.10
相続放棄ができる期間について
本日は、相続放棄ができる期間についてお話して参ります。

相続放棄は、「自己のために相続が発生したことを知ったときから3ヶ月以内」(=以下、熟慮期間という)に行わなければなりません。
ここで注意しなければならないのは、「自己のために相続が発生したことを知ったとき」≠「相続が発生したとき(=亡くなった時)」であることです。
相続が発生してから3ヶ月が経過しても、自己のために相続が発生したことを知ったときから3ヶ月以内であれば相続放棄をすることができることとなります。

もっとも、特別な事情がある場合には、熟慮期間の延長を行うことによって、自己のために相続が発生したことを知ったときから3ヶ月を経過した後であっても、相続放棄を行うことができます。

<熟慮期間の申立て権者>
利害関係人、検察官
→利害関係人には、相続人の他、被相続人の債権者、相続人の債権者、受遺者、次順位の相続人等が含まれます。
 相続人は、自分自身の相続放棄の熟慮期間の伸長の申立てだけでなく、他の相続人の熟慮期間の伸長申立ても行うことができます。

<熟慮期間の延長の可否>
熟慮期間の延長の申立てに対して、家庭裁判所は、相続財産の構成の複雑さ、所在場所、相続人の人数、遠隔地の居住等を考慮してその当否と延長期間を判断します。

熟慮期間の延長は、各相続人について別個に認められるものであり、相続人のうちの一人が熟慮期間の伸長が認められたとしても、その他の相続人の熟慮期間には影響はありません。

相続放棄、熟慮期間伸長等に関してお尋ね事がございましたら、ひらた司法書士事務所へお尋ねください。
2018.07.04
本人確認情報について~権利証をなくしてしまったら~
不動産を売買する場合や担保権を設定する場合など、登記申請を行うにあたり、権利証(登記済証又は登記識別情報)を提供する必要があります。
しかし、その権利証が、紛失や破損などの理由により提供することができない場合、「事前通知制度」「資格者代理人による本人確認情報の提供制度」「公証人による本人確認」が利用されます。
今回は「資格者代理人による本人確認情報の提供制度」についてお話して参ります。
【本人確認情報の流れ】
① 司法書士が、登記の名義人様と実際に面談させていただき、下記の点に関し確認をさせて頂きます。
(1) 名義人様がご本人であること
→確認資料として、以下のような身分証明書をご提示いただきます。
◎以下の身分証明書であれば1点の提示で足ります。(1号書類)
※顔写真付の公的証明書で、氏名、住所および生年月日の記載があるものが該当します。
・運転免許証、運転経歴証明書
・住民基本台帳カード
・パスポート
・特別永住者証明書、在留カード
◎以下の身分証明書の場合は2点以上の提示が必要です。(2号書類)
※顔写真なしの公的書類で氏名、住所および生年月日の記載があるものが該当します。
・国民健康保険証、健康保険証、介護保険証等
・国民健康手帳
・母子健康手帳  等
◎上記2号書類が1点しかない場合、その1点に加えて下記の書類のうち1点以上の提示が必要です。
(3号書類)
・官公庁から発行、発給された書類その他これに準ずるもので氏名、住所及び生年月日の記載があるもの

② 名義人様が確かに当該不動産の所有者であること
具体的には、不動産を取得した経緯や、権利証を紛失されたり、ないことの理由を聞き取って確認します。
それにあたって、下記書類をそれぞれ提示していただきます。
◎権利の取得や設定を確認できる書類
・物件購入時の売買契約書、重要事項説明書、領収書
・物件新築時の請負契約書、建築確認通知書、検査済証、領収書
・登記原因証明情報の写し
・登記完了証
・遺産分割協議書、相続関係書類  等のいずれか
◎名義人様と不動産との関連性を確認できる書類
・固定資産納税通知書
・公共料金(電気、水道、ガス、電話)の領収書  等のいずれか

③ 聞き取りをした内容をもとに、司法書士が「本人確認情報」という文書を作成します。

④ 「本人確認情報」を権利証の代わりとして、登記申請書に添付して法務局へ提出します。

本人確認情報に関してご不明な点がございましたら、ひらた司法書士事務所へお尋ねください。
2018.06.28
危険負担~民法改正で変更となる点について~
本日は、民法改正で影響を受ける「危険負担」に関してお話して参ります。

<現行民法では>
危険負担とは、売買等の双務契約が成立した後に、債務者の責めに帰することができない事由により目的物が滅失して履行不能になってしまった場合、それと対価関係にある反対債務(売買代金請求権等)も消滅するのか否か、についての考え方です。「債権者主義」と「債務者主義」があります。

現行民法では、原則として債務者主義がとられています。債務者主義とは、売主(引渡請求権の債務者)の債務が売主の帰責事由なしに履行不能により消滅した場合、その反対債務である買主(引渡請求権の債権者)の債務(代金引渡債務)も消滅するという考えです。
すなわち、履行不能という危険は債務者である売主が負担し、代金は請求できません。

例外として、特定物に関する物権の設定又は移転を目的とする双務契約(不動産売買契約等)については、債権者主義をとります。すなわち、売主の引渡債務が消滅した場合には、その反対債務である買主の代金引渡債務は消滅しません。
目的物の引渡に関する危険は債権者である買主が負担し、買主は代金を支払わなければなりません。

もっとも、不動産取引の実務においては、債権者主義を形式的に適用すると、売買契約締結直後に目的物が滅失したときであっても、買主は目的物を得られないにもかかわらず、代金全額を支払うこととなり、不当な結論となる為、危険負担について契約上の特約によって債務者主義が規定されることが一般的でした。

このように実務との乖離が生じていたこともあり、危険負担の内容が見直されることとなりました。

<改正POINT>
(1)特定物についての債権者主義は否定されました。
→不動産取引実務に合わせ、債務者主義を採用しました。
すなわち、目的物が滅失した場合には、売主は代金を請求することができないこととなりました。

(2)危険負担制度が、債権者の反対給付債務を消滅させるものから、債権者に反対給付の履行拒絶権を与える制度に変更されました。
→目的物が消滅したら買主は代金債務の履行を拒絶できる制度になりました。
 すなわち、売主と買主との間で債権債務関係は消滅しないということです。
 このような債権債務関係を消滅させたいときは、買主は、売買契約を解除しなければならないことになりました。

※民法改正により、売主に帰責事由がなく履行不能となった場合でも、買主は契約を解除することができるようになりました。

不動産実務等で大変影響のある分野ですので、是非ご確認いただけたらと思います。
2018.06.15
数次相続による相続登記~中間省略が可能な場合~
本日は「数次相続」についてお話してまいります。

数次相続とは、ある方が亡くなり相続が発生したものの、遺産分割協議や相続登記がなされないうちに、さらにその相続人であった方が亡くなってしまうような場合です。このように複数回に渡って相続が発生している場合をいいます。
数次相続による相続登記をする際には、発生した相続ごとに登記を行うのが原則です。
但し、次に掲げる場合には、中間の相続による登記申請を省略することが認められています。

①中間の相続人が1人である場合
②中間の相続人が複数人であったが、遺産分割協議によってその中の1人が相続人となった場合
③中間の相続人が複数人であったが、相続放棄によりその中の1人が相続人となった場合
④中間の相続人が複数人であったが、その中の1人以外の相続人が相続分を超える特別受益者であった場合

すなわち、中間の相続人が1人となった場合に中間の相続登記を省略することができるのです。

(例)相続関係が、A(夫)、B(妻)、C(長男)、D(長女)、E(Cの妻)、F(CEの子)、であり、
H15年にAが亡くなり(1次相続)、H28年にCが亡くなった(2次相続)場合を考えます。

1次相続の相続人はB(妻)、C(長男)、D(長女)、2次相続の相続人はE(Cの妻)、F(CEの子)となります。
そして、B(妻)、D(長女)、E(Cの妻)、F(CEの子)の間で遺産分割を行った結果、Fが不動産を取得することとなった場合、被相続人Aから直接相続登記を行うことができます。(上記②に該当)

この場合の登記申請書の登記原因記載例は以下のとおりです。
登記の原因  年月日C(長男)相続 →日付はAの死亡日を記載、
                  日付の後にC(長男)の氏名を記載
       年月日相続      →日付はCの死亡日を記載

相続登記を複数回行わなければならないのか、一度行うだけで良いのか、によって費用や必要となる書類の数も変わってきます。

相続に関するご相談がございましたら、ひらた司法書士事務所へお尋ねください。